父と留守番した夜に
車で母を迎えに行く事が何度かあった

車には両親と同世代の男女が数人乗っていて
運転は他の男性がする事もあれば父がする事もあった
みんなワーキャー騒いでいた

大人達は笑顔で私の顔を覗き込む
何か言われると私は決まって言う事があった
「眉毛と目はパパ似、鼻と口はママ似」
それを聞いて大人達はますます笑顔になる
私はおませちゃんと呼ばれた

夜の街中をドライブしながら母を迎えに行く
洋風の街灯が続く道、華やかなネオン、ひと気の無い大きなオフィスビル
うとうとして目覚めるとすでに母は私を抱いていて
これからレストランに行くと言う
店はいつも違ったが私はだいたいアイスクリームを頼んだ
両親達はいつもゆっくりした
食べながら酒を飲み、ホールでダンスを踊る事もあった
父や友人達に踊りを教えられた後は眠ってしまい
目覚めるのはいつも昼頃だった