祖父母に見守られて

私は田舎でスクスクと育った

祖父母に両親がセットになっているような時もあり、

極端に悪く言えば

両親はオマケの付録のようだった

祖父母は両親をも教育し直していたんだと思う

 

起床、食事、就寝、これらの時間はもちろん、

内容も素晴らしく激変された

私は午前中に起きられるようになり、

空腹を感じる前に手作りの食事を食べ、

夜はぐっすりと眠った

 

祖父母の家の居間には

振り子の掛け時計があった

昔の時計でアラームオフ機能も無いので

夜中でも必ず時を告げる

寝室まで聞こえて来る「ボーン」の音を数えて何時か把握できた

日々の生活はこの時計の音と共にあるようで

一緒に流れていた

 

田舎の大自然の中で

私は四季折々の楽しみを満喫していた

祖父母や両親、父の弟たちと

河原でバーベキューをした時には

虫や魚などの川の生き物を捕まえた

普段はカナエちゃんとタンポポの花輪を編んだり

雪だるまやカマクラを作ったりした

 

カナエちゃんのママはいつも

家の中からや家庭菜園をしながら

必ず私たちを気にとめていた

私たちの会話に入るような事はなく

いつも静かに家事をしていた

私たちが質問をした時だけ優しく答えてくれた

 

ある時、カナエちゃんのママが編み物をしていた

何を編んでるのか聞いたら

赤ちゃんの靴下よ カナエはお姉ちゃんになるの と教えてくれた

 

遠くに見える山、家のそばを流れる川、

広い平原、所々に立つ樹木、祖父の畑…

 

私は母の実家はもちろん、父の実家も大好きだった

私は故郷が大好きだった